やどかり

2002年12月11日
 暖房が弱々しいながらも温風がでるようになった。お天気も味方してくれて、珍しい冬の真横の気温等高線!…最高気温が0度までしか上がらないー。

 こんな寒い日は心を遊ばせましょう。以下「やどかり」を「彼」と呼ぶ。

 彼はお気に入りの巻貝を選んでは宿にする。
 時には、貝でないものも宿にする。

 他の者から「不似合い」とか「考えなし」とか言われることもある。

 彼はある日突然、数多の巻貝にかつて別の生命が宿っていたことに気づく。

 哀愁のやどかり。脱皮の成長過程で巻貝を変えなければならない。外敵から身を守るために巻貝に入らなければならない。使うべくして生まれたのだ。

 その事情を理解されようがしまいが、彼は巻貝を宿にしなければならない。

 そんな中、やどかり同士の間で巻貝のセンスについて討論があった。

 彼は巻貝は「自分」でないと主張する。己というものはこの頼りない赤い身体なのだと。

 仲間が言った。「君はどんな巻貝をまとっている相手でも、真意を推し量ることが出来るのかね?」

 さて、これを「巻貝」=「言葉という記号」に置き換えてみる。
 やみくもに当てはめると大変なことになる。
 
 努力は分かるがまるで意味の分からない翻訳書。原文がシリアスなのにギャグ口調で訳された小説。世の中にはシャーロックホームズを関西弁で訳した本もある。(関西の人すみません)

 こうなると「2CH用語の国会答弁が見たい」とさえ思えてくる。
 何やら日本国家と共に私という人間の崩壊音が聞こえてきそうなので、やめておく。
 
 シリアスに「彼」を自分の人生に置き換えてみよう。

 この討論の行方を知るは、胸の内。

 「やどかり」君達の一匹が挙手。

 「君達は巻貝がどんな奴だったか知った方がいいかも知れない。」

 さて、上記の冗談のような本に現実に出会ったら、原作者はともかく翻訳者の真意をどう推し量りますか?

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