夢に思う。

2002年12月17日
 テレビで聞くところによると、レンガ建築というのは角に弱いらしい。角に穴を掘り、そこに火をつけると一発で建物が崩壊するらしい。
 どうしてそうなるのかは分からなかったが、城攻めなどにも活用されたらしいです。

 心に波があるせいだろうか。自分に厳しい時と甘い時の差があるせいだろうか。

 いつの間にか忍び寄る孤独に知らない間に支配されるからだろうか。時々、思う。今、自分がここで生きていること、何をしているかとか、世界中の誰も知らない時間を独りで過ごしていると感じる時がある。

 何かを取得する時に必ずついて来る、心細さが生んだ心の隙なのかも知れない。考えることが出来ないくらい無心になりたい。

 ピアノで越えられない課題にぶつかることがある。テクニックもそうだが、表現の悩みになると模範解答など存在しない世界だ。誰かが答えをくれるわけではない。聴いた人間に「違う」と言われても「じゃあ弾いて見せて」ということは出来ない。自分の音で自分の表現で曲の意図するものに近づかなければならない。

 夢中で何時間も弾き続けていつしか無心になる。絶望で力無い音、悔しさと怒りで力の入った音、それがいつの間にか何も考えられなくなっている。自分はひょっとして朦朧としているのかと思う。

 けれどそれは指が完全に自分の道具になる瞬間。心が音と一体化する瞬間。心が音楽に応え、音楽が心に応える瞬間。思った通りの音が奏でられる瞬間。

 ここまで上るのはいつも辛い。理論や理性だけでは器用さで終わってしまうかも知れない。
不安が心を支配していたら上れない。

 強い心が欲しいと思う。才能が欲しいと思う。孤独なんか知らないでいたい。

 でも、私はこの心の隙でさえも糧にする。こんなことを叫ぶ自分に、自分の力で越えられることを教えてやりたくなる。非力だと思う自分に、昔親言われた「そういうことは死ぬ気でやってから言え」という言葉の意味を教えてやりたくなる。

 私は自分と戦う。勝ってみせる。 

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