おやすみ。

2003年3月10日
 日曜日は相変わらず、色々なことは休み。そして、また、樹羅の囁きだけ。

「心の片隅にある時計。
 
 この針はいつまで回るのかわからないけれど、生まれた時からずっと歌い続けてきた。求めるものは何だとか、目に見える不幸も幸せもこの時計には些細なことだ。ほんの一秒にも満たない出来事にしか過ぎないのだ。
 
 時計の中は心のネジ、心の歯車で出来ている。そして、時を知らせる一羽の鳥が住んでいる。鳥は自分が呼ばれる時を待っている。じっと目をつむって待っている。その翼を広げる機会を待っている。

 刻まれるリズム。その鼓動は鳥の鼓動。軋まず、休まず、動き続ける時計。鳥の血であり肉であり心である時計。

 鳥は考える。いつでもこの時計を動かしているものは、頼りなく、不安定であるはずなのに、何故、止まることがないのかと。

 何故、進み続けることも、やめてしまうことも、この時計には存在していないのか。心の回路で出来た時計。時間というものは、作り上げられた物語だ。

 だから、そのまま通りすぎてしまえば、それはほんの一秒にも満たないことだという。鳥の心に送られてくる。
 
 鳴いていい。泣いていい。それは、ほんの一秒にも満たないことだから」

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