4月。

2004年4月1日 趣味
 ああ、ついに帰国して半年です。年末にインフルエンザをやってから一体何をしていたのでしょうか。一時はUKに飛んで帰りたくなりましたが、春の陽気に励まされて漸く日本の情緒に安心して目を向けられるようになってきました。
 やっぱり、どこの国も慣れるまでは半年かかるということでしょうか。しかも洗礼のようにまず倒れるし……。

 半年で変わったといえばついに体重が10?落ちました。でも外見はあまり変わらず。そう書くと前はどうだったんだ?!と恐ろしい想像をされそうですが、がりがり痩せることもなく、ころころというわけでもなく、普通のままです。恐らく、筋肉がおちて体重が……ぎゃー。
 低コレステロール、高たんぱく質。考えてみれば今の食事はかなり健康的です。UKを振り返れば自然食には結構慣れてたかも。週に一度はディップパーティで生のニンジンとか食べていましたしね。ソースとかも一から作っていたから砂糖や脂質は自分で調節できたし。早くまた料理を楽しみたいですね。

 起き上がる時間も少しずつ長くなってきました。高校生以来、久し振りに立原えりかさんの童話を手にとって読みました。あれは小学校のときに夢中で読んだものでしたが、大人になって読むと視点が本当に変わります。子供の頃は見えなかった大人の事情が今は分かります。小鳥になって飛び去っていく少女の話も憧れたこともありましたが、今は「もっと人間として現実に何かを自由に出来るのは面白いことだ」と分かります。

 ただ、この本の魅力は、言葉の流れに魔力があるところです。
 昔から、言葉というのは呪文とも言われます。人の心を揺さぶり、魂を奪うことがある。
 一見、何の変哲もない描写が、いつの間にか魅力的に感じられる。美しく哀しい物語なのに、読んだ後に幸せを感じる。
 不思議な魔力に満ちた文章だと思います。
 この人の話は、決して砂糖菓子のようではありません。一見、小人や美しい人に夢を見させてくれるようで、その実はとてもリアルな生活をなぞっているのです。幻想は現実を一枚めくったその裏にしかいない。ある時はただの大人のついた嘘のこともあります。
 しかしそこに秘密があるように思われるのです。
 語りかけることの美しさ。人の話す言葉というのが、いかに魅力的に物語を紡ぎだすかということを、この人は把握して使いこなしていると思うのです。
 そういう風に使えるようになりたいですね。
 
 4月はゆっくり養生しつつ、回復のリハビリをします。 

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