全部カタカナで書くと、ア○ンジア○ンゾのキャラクターみたい。…あれは、あれで、好きですが。

 日中夜、悪者側の心理描写を書いていたせいで、…ワルい気持ちです(毒ブレスモード。

 少し、ワルモノについて、考えてみる。

 数年前までは、物語における悪役とか悪者というのは、RPGぽく、単純明快に「主人公or人間を、邪魔するor迷惑をかけるor殺そうとする者」で片づけがちでした。
 主人公から見て、インモラルな奴。
 今は、「敵」と「悪者」の区別に関して、どっぷり考えるようになりましたが。

 最近、気になったことで、「この悪者は、困った人でずれているが、悪く思えない」と感じる人がいるということ。

 問題の言葉は、「ずれている」という感覚です。
 ここで、怖いのは、「この人はずれている」と感じた時点で、その人がやった数々の犯罪の事実が薄れてしまい、「訳があるから、悪いけれど許せなくはない」と結論づけること。

 一体、どこまでが、「ずれている」で許されるのでしょうか?
 とても危険な曖昧表現だとも思えます。
 勧善懲悪の発想も、裏返せば、きちんと成立した道徳観念の壁をぶち破る人、という時点で、何か単純思考の罠に落ちそうな気もありますが。
 
 話の焦点を戻して、「ずれている」という解釈がでるのは、一体、「自分とものさしが違う」ことを調べるために読んでいるのか。「自分と哲学や道徳観念が違う」と感じることで、すぐに「無関心」に逃避する行動なのか。
 いかんせん、その曖昧な納得によって妙な理解が生まれ、「本人が悪いと思っていなかったから、そう悪者でもないよ」という姿勢は、どうでしょうか?

 例えば、悪者は、自分と違う哲学や道徳観念及び、精神状態を持っているのは、ある種、必然的に予想出来る事態だと思う。中には、むしろ共感を覚える人もいるだろうと思う。
 けれども、物語の悪者として理解するには、一旦、主観から客観に頭を戻す作業も必要と思う。
 いつの間にか、麻痺する、妙な情の罠から、物語の意図する悪者を把握するべく、頭を冷やすためである。

 結論として、物語において、そいつが「悪者」なのは、「不道徳」「非常識」「法律違反」「倫理的に問題」etc.という要素に加え、……「個人的にいただけない」かどうかが、受け手の鍵になってしまっている模様……。

 戦国ものなどは、「対立関係」ということで、どちらかの側から見るかで「悪者」が変わってしまいます。でもあれは、「敵」という観念から来るから、悪者という観点ではないと思う。
 その場合は、「敵」になった結果、何が起こったかで「悪者」に昇格すると思う。

 しかし、……どこか、「ずれている」という感覚には、「悪者=自分の敵?」的な思考要素があるように、感じられる。
 混同した思考は、…今日のテレビを見ても感じられ、混同した結果、混乱した者は「ものさしが違う」で逃げる一面もあって、こちらまで、訳が分からなくなってしまいます。

 「本人に自覚があるorなし」で変わるのは、向き合う人の姿勢であって、悪いという事実ではない。向き合う人が、煙にまかれてしまうべきではないと思う。
 
 生まれた時は、何もなかった。
 後から沢山、覚える壁が増えた。
 でもそれが、……共存するためのルール。
 
 ところで、「道徳」ゲームがあったら、どうでしょう?
 「道徳に反する」と感じた者を、次々とピコピコで……。
 それは、……うっとうしいかも。
 ある種、フィールドで倒すモンスターみたいだけど。
 雑魚モンスターは、ただの「敵」なんですよね。
 悪意の有無が、悪さの決め手ということではない。悪意について考えるのは、事態の解決について考える時に、また別の問題として発生するもの。

 色んな解釈や、感想があってもいい。「ずれている」も、別にいい。ただ、それによって、その後の思考が、「ずれて」自分で混乱していく姿が、見苦しい。ある種、頑固な意志すら感じる。
「ずれている上に、こんなことをして、悪い奴かも」or「ずれているくらいだから、こんなことをしても、悪く見えないのは何故?」くらいに、感覚を引き上げて欲しいと思う。

 良いことも、悪いことも、色んな角度から、必ず一度、立ち止まって、ポケットから色んなものさしを出せるようになりたい。

 んー、ここまで書いておきながら、人間の心理や行動って結構、本能的な部分が大きいんだなと、実は密かに感じているんです。
 登場人物にとって、壁と感じるものと、どう付き合うかで、悪者の定義も色々変わってくる。

 何日も悪者を書いていて……ずれたのは、私かも?
 

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