燕展。

2009年8月10日 日常
 朝からバケツをひっくり返したような大雨。
 トマトの鉢植えの幹を支柱に結んであげて、雨の様子をうかがう。
 こんな朝は、セミはどうしているのだろう。
 夕べは町中が蝉時雨に包まれていた。
 今朝は、雨の音しか聞こえない。

 旧新橋停車場の、「特急“燕”とその時代」展を見てきました。
 彼のような鉄道ファンでなくとも、十分に興味深く鑑賞できる内容でした。
 私は、19世紀末期から20世紀初頭についての文化や美術を調べることに関心があるので、この時代の装飾やセンスを目にすることは貴重な経験になりました。
 
 エネルギーのある時代。
 新しい文明と共に生活や旅のスタイルはめまぐるしく様変わりをし、西洋と東洋の混在した装飾や、西欧風を取り入れたモダンな人々…。
 美術書や美術館に行くたびに思いをはせてみるのだけど、ふと思うことがあります。
 この時代を過ごしていた祖父や祖母が、どのようなことに驚きまた感動していたのか、もっと話を聞いてみたかったな…。
 万年筆を集めたり、バイオリンを弾いていたという母方の祖父…。
 若い頃の写真は、スーツを着て車の前に立っていて…。
 けれども、小さい頃の私が覚えているのは、テレビで相撲を見ながら完璧な東北弁で話す姿…。
 父も母も東京生まれの東京育ちなので、私は祖父の会話はよく聞き取れませんでした。
 どんな風に、この燕が誕生した時代を生きていたのでしょう…。
 もう少し私が大きかったら、と思うことがあります。

 世界の“旅行”の歴史は本当に興味が尽きません。
 鉄道の発明・発展は欠かせなく、また豪華客船の航行も面白いところです。
 UKと仏の間での客船合戦は素晴らしいものだと思いますし、また日本から海外へ渡る客船も興味深いものです。UKだと列車とpierの発展を見るのも面白いですね。
 昭和一桁の頃でも、海外から日本へと来る旅行者の数がとても多いことには驚きました。
 燕のメニューも、日本語のカタカナとフランス語。
 列車も客船も、…メニューをのぞいてみるのが好きです。
 ポスターや装飾に取り入れられた、アール・デコやアール・ヌーボー調の美術。

 あのまま現在まで来ていたら、どんな風になっただろう…とふと思いもします。
 そしてまた、あの頃に生まれた文明の数々が発展して今を支えているのだとも実感するのです。
 
 旧新橋停車場を出て、深呼吸…。
 時間の箱で思いをめぐらせたひとときでした。

 その後は、東京駅側の「PAUL」へ。ブラッセリーですが、フランスで食べられるような、ほろ苦い味のカフェ・エクレアに出会えて嬉しかったです。
 店内は天井が高いせいか、気さくでいながら比較的ゆったりと軽食を楽しめる雰囲気でした。

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