晴れ間の道。

2010年1月13日 日常
 今日は、病院でCTを撮る日。

 朝のうちはとても寒く、青空は見えているのにみぞれが降りました。
 お花バイキングロードでは早速、ヒヨドリが山茶花の花を食べていました。
 花びらをむしるだけでなく、丸ごと花を落としてしまうのが、もったいないな…。
 猫は岩陰でじっと冷えをしのいでいます。

 帰り道は、風は強いけれどようやくの日差し。
 猫達は乾いてふかふかになった土に移動して、寄り固まって日光浴。

 相変わらずたくさん着込んで、足早にぼんやりと歩いていたら、地面を漁っていたヒヨドリを踏みそうになってしまいました。…ヒヨもぼんやり。
 慌てて枝に止まって、キーキーと抗議する声に、「ああ、うんうん。ごめんねって」と思わず返事してしまう、鳥飼いの条件反射…。誰もいなくて、良かった…。

  ・青菜わーるど・

 実家では、宝石のように綺麗な苺が実る頃…。
 私の庭では、厳しい海風から護るように短く、低く葉を広げたその陰に、ひっそりと花を4つほど咲かせています。

 けれども、室内でも湿度21%の乾燥した環境で、昨日はしっとりとしていた花びらが、今日の夕暮れには手で砕けてしまうほど乾いてしまうのです。
 できることは、乾燥対策の水やりや袋で保護すること…。
 力を溜めさせてあげたいけれど、花芽を摘むのは可哀想…。
 ロゼットのように身を低くする苺…、この子にとって初めての冬は厳しいのだろうな…と、切なくも、力強さに心打たれます。
  
  ・思い出小箱・
 
 《冬のこと》
 仏の冬。幼い頃は、冬になるとブーツを履いて雪道を歩くのが好きでした。
 木の葉に凍り付いた氷を剥がして、氷に描かれた葉脈を光に透かすのがとりわけ好きでした。風が吹くたびに、凍った葉がしゃらしゃらと音をたてる…。
 瑠璃の調べが、今も耳に残ります。

 中学の頃になると、教会通りのカフェで、ホットチョコレートとクロック・ムッシュで暖をとるのが冬の安らぎでした。桐の木もまだ眠る冬の乾いた道に、ネオンだけが空気に澄んで鮮やかに映える…。家では、壁にはりめぐらされたお湯が通る管にいつでもはりついていました。室温はいつでも25℃。半袖生活でした。

 大学から結婚頃は、リヨンに家がありました。
 家の前のニワトリ橋からローヌ川を眺めると、アルプスから流れくる氷まじりの川面を凍えた風が一気に吹き抜けてきます。晴れた日に、フルビエールの丘に上ると、遠くにアルプスの美しい銀嶺が一望できました。
  
 何げない、情景…。

 冬になると、なにもかもが灰色にくすみ、暗く冷たい石壁は重厚さを増し、輝いていた森は闇に眠る…。
 その分、“湯気”の思い出が鮮やかになります。
 町角のクレープ屋台、焼き栗…、ホットチョコレート、温かい食卓…。

 曇り空は憂鬱だけれど、どんな小さな温もりも、嬉しかった。
 
 “ムーミン谷の冬”にあるように、冬には何か知らない生き物たちがいる…そんな感じがいつでもしていました。
 

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