・樹羅の囁き・

 心揺れるとき、庭に佇む…。

 鉢植えの植物たちは、命を謳歌し、その温もりを伝えてくれる。

 葉を摘むときの、その小さな触れあいは、言葉のない会話…。

 一つずつ、大きくなる。

 一寸ずつ、伸びていく。

 水を喜び、嵐に耐え、寒暖にさらされて益々勢いをつけ、

 一日としてとどまることなくその姿を変えていく。

 『大丈夫』と、植物たちの幹が言う。

 『根があるから大丈夫』と、土から聞こえてくる。

 そんな健気な彼らに水を与え、肥やしを与え、虫を払い、ときには励ましの言葉さえもかける…。
 気にかけるという、確かな温もり。
 その温もりに、私も支えられている…。
 
 樹羅の子守歌が聞こえる…。
 『必ず花は咲く…。必ず葉は増えていく…。
  雨の朝も…、光満ちる朝も…』

 植物と一緒に、…空を見上げた。 

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