実像イメージ。

2007年10月23日 映画
 犬が背中を壁につけて、床にお尻をつけ、両脚を投げ出して座る姿−ずっと、漫画表現だと思っていました。
 本当にやるんですね。猫はやりますよね。

 UKの古本屋で見つけた、ドール服の雑誌を広げると、そこにはお洒落着の歴史と、幅の広さを思い出させられる。
 ドール服は、割と、大雑把に中世風、カントリー風、宮廷風、ファンタジー風と、ゴシック風、中華風と、分けられている感がありますが…。
 UK風に、エドワーディアンとか、ジョージアン、ヴィクトリアンなどと分けられるのも、また新鮮な感じがしました。
 日常服でも、階級によって細かくファッションも違う。
 時には、歴史の匂いがする服もいいかも。
 雑誌にレシピが載っているのも、本当の洋裁の本みたいで、またお洒落でした。

 つい最近、ヴィクトリア女王の映画を観たのですが、UK制作でなかったら王室に怒られそうな、スキャンダラスな内容でした。
 また、細かな歴史背景が当然のように盛り込まれていて、見ている方は確実にその時代の予習が必要な雰囲気。
 資本主義が確実に力をつけていく様子が、何の前触れもなく議会模様で展開されるので、頭で年号を割り出さないといけない。
 裏話という程でもないけれど、ヴィクトリア女王の息子の、美しい嫁の首に手術後があって、それを三連の真珠で隠していたところ、お洒落がブームになってしまったエピソードなんかもありますが…。そんな場面すら、食事中にただ一人、黄色いショールをかけている人がいて、黙々と食べていたヴィクトリア女王が、最後に席を立つとき、「ショールが素敵ね」という一言に集約されていたりする。ただ見ていると、褒めているのか、皮肉なのか、分かりづらい。
 
 ただ、さすがと思うのは、階級や出身地の英語の使い分け。
 一つのお城で様々な英語が飛び交っていたのが、一目で分かる。他の映画でも、主、貴族、侍従、厩、下町くらいの区別はあるけれど、…この映画は更に細かかった。会話のマナーもかなり細かい差があって、恐らく、UKの人ならば、これを見ただけでその人のデータが割り出せるのではないだろうか。
 
 一つ、意外な発見がありました。
 それは、UKにいるとき、ヴィクトリア女王についての、ドキュメンタリーを見たのですが…。
 それと今回の映画では、微妙にイメージが違っていました。
 ドキュメンタリーは、上品ではかなげで一途で、エレガントなイメージを押し出していました。

 今回の映画は、かつて私が見たロミー・シュナイダー主演の、ヴィクトリア女王の映画と、性格がやや似ていました。
 気が強く、思い立ったら即実行。パーティがあろうと外に飛び出し、そのまま出かけてしまう。
 スキャンダルになる相手役の馬の世話係の性格も、ずけずけと率直に飾らずに物を言い、ヴィクトリア女王を引っ張っていくところが、…前映画におけるアルバートの性格に近い。

 実像は、その時代の人のみぞ知る、ですが、多角的に情報を見ることで、また面白さが拡がります。

 きっと、ベアトリクス・ポターも、ピーター・ラビットでイメージが終わっている人がいるのではないでしょうか。
 羊の品種改良とか、意外と知らない人もいるかも知れませんね。
 
 物語でそんなリアリティがもっと作り込めたら、楽しいでしょうね。「北の国から」を創った人も、表には出ないデータを作り込んでいるそうですね。
 人間は、深くて、意外で、思いがけない方が、面白い。

 …犬のポーズは、本当、驚きましたけど。
 インコも逆上がりとかするから、動物は本当、…意外の連続です。
 

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