巣立ち。

2011年9月18日 趣味
 突然の用事に、まるで引っ越しかのような忙しさに…。
 落ち着くまでは、もう少しかかりそうです。
 眠る頃には、へとへとになるけれど、
 “住み心地”を変えるチャンスと思って、
 色々イメージを膨らませてわくわくしています。

  ・メンフクロウ・

 ある雨の日、二羽のメンフクロウの姉妹は巣箱の片隅で寄り添い合って
 いました。他の鳥のように尾脂線から羽根に油を塗りつけないので、
 雨に濡れると水を弾かずに体温を奪われ飛べなくなってしまうのです。
 屋根に打ちつける雨音を、怯えたように耳を済ましていました。

 またある日、巣箱の外のポーチに出るようになった頃…。
 いつものように餌が欲しくて鳴き続けていた次女が、ふと振り返り、
 長女が巣箱に戻っていることに気づきました。「お姉ちゃんが先に
 ネズミをもらってた!」と勘違いした次女は大声でシューシュー
 鳴きながら巣箱の中へ突進。この年頃は、お互いのネズミを取り合うのです。
 一方で、巣箱の中で寝ていただけの長女。次女の騒ぎに目を覚まして、
 「えっ?!餌が来たのね、取りに行かなきゃ!」と出口に向かって突進。
 とうとう巣箱の出入り口で二羽はがっつんこ!お互いにネズミを奪おうと
 嘴を開けていたのでがっちりと嘴同士が挟まってしまいました。
 二羽とも驚くやら、嘴がとれないやら。「ギャーギャー」とお互いに抗議
 しながらもがいていました。
 ……(このいかにも“鳥”らしいエピソードが大好きです)……。

 二人はぐんぐん大きく逞しくなっていきました。白い柔らかな毛はなくなり、
 木目模様のフクロウになりました。しきりに翼をはためかせ、飛び上がる仕草
 を繰り返します。

 そんなある晩、両親は沢山の餌を二羽に与えました。
 食べきれないほどの大きなラットやオポッサム…二羽はお腹がいっぱいになり、
 とてもはしゃいでいました。
 次の日から、ぱったりと両親は来なくなったのです。訳の分からない二羽は、
 喉が枯れる程、餌を求めて鳴き続け、夜明け頃に父鳥が見かねて運んで来た
 小さなネズミ1匹を取り合って二羽で分けて食べました。翌日も、その次の日
 も…両親は餌を運びません。姿を見せますが、何もしません。このままでは、
 飢えてしまいます。

 とうとう、二羽は巣箱から近くの枝へ飛び移りました。
 初めてのフライトです…!
 新しい世界をじっくりと眺めた二羽は、その晩から周辺を遊び回るように
 なりました。餌はとれないしお腹が空いていても、新しい世界への好奇心と
 興奮からか活発に飛びまわります。

 そして、真夜中…。
 母親が久しぶりにネズミをもって訪ねてきました。次女が食べ…長女は餌を
 求めて鳴き、でも、母親は餌は取りに行かずに側の枝にいました。
 辛抱強く、背を向けて、何分も側にいました。
 母親が飛び去った、その夜明け…。
 二羽はもう“待たない”ことを悟っていたのでした。
 日の出と同時に、二羽は巣箱を飛び立っていったのでした…。


 ドラマチックな二ヶ月半でした。
 6羽中、巣立つことができたのは、2羽でした。
 卵が孵化する瞬間から巣立つまで観察でき、とても幸運でした。
 時には涙し、思わず笑ってしまったことまで、沢山のことを与えて
 もらいました。色々考えさせてくれました。勇気をもらえました。
 本当に、ありがとう、愛らしいowlets。
 これからは、外の世界で両親に餌の取り方も教えてもらうのでしょう。
 翼の自由を謳歌していることを、信じています…☆

 私は、セキセイインコの次に、Barn Owlが好きになりました。
 鳥でもこんなに表情も考えることも違う…と、とても勉強になりました☆

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