「根性」の日。

2002年11月30日
 マーシー島にお出かけしてきました。
 コルチェスターからバスで30分、真南にある静かな町です。朝の天気は快晴。祈りが通じたのか、実に2週間ぶりに見た青空。奇跡のような晴れ間でした。本当にこの時期は雨ばっかりですからね。今年は特に雨が多く、モンスーンだとか(?!)。
 マーシー島は海抜の低い島で、引き潮になると地続きかと思うくらい高低差がありません。バスが着く頃には空は厚い青鼠色の雲に覆われ、冬の冷たい息吹に頬を撫でられると全身が凍りつくようでしたが、カイロ装備で町を散策しました。
 本当に静かで小さな町でした。冬空を塗ったような壁の家々を静寂が覆い、時々囀る鳥の声のみが耳をくすぐる。
 海は氷河のようなアイスブルーで、砂浜を歩きながらデジカメで写真を撮りました。
 思い出に貝殻を拾い、帰る時にひょいと喫茶店を覗いたら、地元の人達がのどかにティータイムを楽しんでいるのが見えました。
 時間の流れの違う場所に身を置くと、大切なものが帰って来たような気がしますね。マーシー島は実は魚介では相当評判らしいので、次回要チェックです。

 そして話は変わってついに本を買った。「イギリス料理の歴史書」。もう、英語でも構うもんか!1冊5000円もしたが、読破すれば得るものは大きい筈。リスなので英語力向上になるかは怪しいが。創作の傍ら一気に読むぞ。時間にライバルがある方が必死になれる。…まあ、楽しいことだから気楽にいきましょー。
 
 悪役作りは無事に終了。某氏の「悪役は悪役と思うから悩む」のはごもっともです。頭の中で熟成して乗り越える瞬間は素敵ですね。だから悩むのやめられません(おい)。壁にぶつかるのは大好きです。偉そうなことをと笑われるかも知れませんが、稚拙でも思考と発見を繰り返すことは確実に進展への一歩を踏み出すことだと思っています。

 では、「根性」で本を読むか。
 

「とっても」な日。

2002年11月29日
 今日は色々な意味で収穫がありました。日頃のたまったストレスが読書欲をきっかけに爆発。某チャットでは皆様にご迷惑をおかけしました。正気にかえればもう恥ずかしいやら。でも、呼び起こされた野生(?)で心も瞳も輝きを取り戻したよう。やはり人間は喜怒哀楽がある方が生き生きしますよね。結婚してから抑えていた自分にグッバイです。これからは心おきなく創作の世界にハマります。この勢いに負けてロンドンかマーシー島に連れて行く羽目になった旦那様、ありがとうございます(笑)。
 友人のI様、笑ってくれてありがとう。日頃の話から「何故HP作らずに日記なの?!」と叫ぶ姿がお察し出来ますが、HPを作ることになれば尚更文章は必要です。オンラインで晒されることが、自分に対して良い修業になるでしょう。作るソフト、日本から送ってもらわにゃならんのよ。
 ここ数日悪役について考えてました。考えてたら、ふと、自分が卒論で「ディズニーと口承・伝承文学の家族関係について」研究したことを思い出しました。童話的な悪役て主人公につかず離れずで結構狭い社会関係に位置しているんですよね。非常にちょっかい出してくるというか。結果的に主人公が切り抜けるまで近くにいるのがとても家族的というか。
 対して、ファンタジー要素が強くなるほど、悪役の腹の中があまり表現されなくなってきて、向こうからは何もしないが巻き込まれる、こちらから挑む、逆に執拗に追ってくるとか多様化する。
まあ、言ってみれば大人の社会関係ですね。
 自分が小説に書いている時はそれほど気にせずにいたけれど、ゲームを作ってみた途端、「これはシーンを見せなければ分からないんじゃないか」「こんなに喋ったら味が薄くなるんじゃないか」と色々試行錯誤するようになって。映画を参考に色々考えを巡らせてみると、ディズニーのようにどうもお喋りなタイプと、場面描写で無口に震撼させるタイプがある。
 「味」を感じるものは割りと中世舞台の洋画か日本の時代劇タイプとかだったりして。もっと悪役のいる映画見ないとなぁ。
 で、ここまで考えて、自分が作りたいものは勧善懲悪なのかそうでないものかに辿り着いた。どうやらこれが悩みの種だった模様。
 何だそんなことかと言われるかも知れませんが、「つまらなくない悪役」て意外と難しい。シナリオでこんな野望が、こんな不幸が、それで勇者が云々。「あ、そう」で終わり。これはどうも、長年童話を書いて上記の成長させるパターンに携って来た者にはツライ。つまんない喧嘩より何か残った方が良いな、と思う。
 では、やってみれば、ということで。
 やってみます。
手の内を読みやすい悪役から読みにくい悪役まで順を追って修業ということで。

 あー、明日天気になーれ。

空を渡る翼

2002年11月28日
 どきどきがおさまらない。手が震える。体が軋む。真っ白。まるで初めて空を越える渡り鳥ように何日も机の周りをぐるぐる歩き回る。
 なのに心は既に大空だ。あがり性だろうが臆病だろうが、瞳は常に空を映す。
 渡る「その時」は鳥にしか分からない。どこへ飛ぶのか鳥にしか分からない。
 けれど、その「一瞬」を逃さない。引き絞った弓のようにひとたび地面を離れたら、真っ直ぐに約束の地へと飛び続けるだろう。「猫のお茶会」という漫画にそういうシーンがあった。
 私は今、自分の翼を信じる。
 自分を励ませるのは自分しかいない。
この言葉がいつも私の心の中にある。

 とまあ、これくらいにして、日常の徒然を書くとしましょう。
 イギリスに来て半年。テレビでは連日fire fighter(消防士)のストで騒いでいる。代わりにgreen godessという軍の臨時消防隊が出動しているが、始まって4日目。この間に消防士の家が火事になったらどうするのか?と思ってしまいますね。
 日本から大量の「MOE」という雑誌を取り寄せる。わちぃーふぃーるどを読んでいると、引き込まれそうになる。語り口調の話は読んでいると心地が良い。口承・伝承文学の魅力を思い出します。
 イギリスの児童文学研究書をもっと読まなければと思いつつ、本屋になかなか行けない日々。うーん留学生活はさすがにお金も無い。
 折角だから挿絵研究書も欲しい。イギリスの料理の歴史も欲しい。一体誰がイギリスの料理を今の評判にしたのか。ローマか、ケルトかノルマンか。地名と歴史の研究書も欲しい。
 これだけ読書欲を抱えておきながら、フランスに旅行するために貯金をしている。
 …本当に徒然になってしまった。今日はもう寝るとしましょう。
 そして、渡る鳥の夢を見る。

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