この一年で。

2003年7月17日
 今日も暑い。唯一涼める場所がスーパーなのは、少し寂しい。お洒落なカフェとかあればなー。
 しかし、にわかに空が曇ったかと思うと、直径4cmもある大粒の雨。そして雷の時間。天気予報でThundery Showerと言っていて、音が涼しげで何故か気にいっています。

 段々花火がかき氷が懐かしくなるのは、日本人なんだろうなぁ。

 夏になると、水まわりの掃除が楽しくなります。殆ど水遊びの気分です。
 最近感じること。握力が明らかに弱っている気がする。瓶や缶を開ける時に思わぬ苦労をして自分で驚いています。
 もともと、ピアノをやっているせいか握力よりも指の力の方が強いのだけど、キーボードが昇天してからトレーニングが甘くなりがち。ひょっとしたら指の力が弱って来たのかも……。 あああ、ピアノが弾きたい。弾きたい病が炸裂しています。

 このところCDプレイヤーの調子が悪い。こちらで買ったものですが、デッキじゃなくてポータブルなのに、乾電池2個にアダプターがないと聞けないという、割と面倒な機械です。充電式のが何故か売っていませんでした(しかも日本よりずっと高い)。
 唯一の利点はラジオも聞けてしまうところ。
 けれども、CDの読み込みに40秒かかると宣言している。その読み込みが怪しくてどんどん時間がかかるようになってきた。
 一応、日本製なのに……(HITACHI)。

 テレビの音楽クリップは空白の時代。あまり面白いのがないです。強いていうと、マドンナのクリップが、怖い。激ヤセしている印象もあります。

 夏は食欲がおちる上に、酢の物が食べたくなるから、痩せるチャンス。
 なのに、帰るまでに食べておきたいものに挑戦してしまう日々。
 人生って、二つに一つだと、本当に思います(涙。

水を想う日。

2003年7月16日
 久々に大学の図書館に行きましたら、水辺で鳥達が寛いでいました。白鳥よりも少し大型で、頭と脚が黒い鳥が群れをなしているのですが、何という名前なのでしょう。その側ではハジロ(羽白)がちょこまかと泳いでいた。

 夕飯にモロッコ風チキンを作ってみたら、美味しかったです。アリッサとギリシャ風ヨーグルトにクミンを少々混ぜて、鳥肉を漬けること2時間。後はオーブンで25分焼くと、旨味が凝縮した柔らかい鳥が出来上がります。(お姉様、お勧めですよ)。


 イギリス人が書いた、イギリスの児童文学の世界を通してイギリスの心について考える本を読んでいました。著者は1926年生まれなので、一昔前の考え方になるのかも知れません。

 その方はオックスフォード大学でルイス・キャロル等を師に仰ぎ、著名な児童文学の登場を目の当たりにしている。成長の過程でディズニー映画が登場したり、「クマのプーさん」が出版されたりしていて、その時の感動や感想が述べてあって面白い。家庭の姿も、両親はヴィクトリアンで、その生活の様子を伺い知ることが出来るのも貴重なことです。

 著者が子供の頃から慣れ親しんでいるものに、「ナーサリー・ライム(マザー・グース)」があります。意味も知らない赤ん坊のうちから耳にし、言葉のもつ音やリズム、ストレス(強勢)を自然に取得していくと言います。
 そして、意味が分かる頃になると、様々な想像や疑問を巡らせるようになる。
 マザー・グースの世界について語るのは長くなるのでやめますが、お母さんが赤ん坊に歌って聞かせたり、ベッドの端にフレーズが書かれていたり、生活に溶け込んでいる感を受けました。マザー・グースには言葉遊びや警告、道徳など沢山盛り込まれてありますよね。

 しかし、この著者は学者のせいか、観点が意表をついてきます。
 彼に言わせると、「クマのプーさん」の主人公、プーは哲学的なクマらしい。

 プーはソクラテスであり、アリストテレスであり、果ては道教まで心得ているという。

 ……そういえば、彼(プー)が一番したいと思っていることは、「無」だ。

 しかも読み進めると、更に「方丈記」の鴨長明やヘラクレイトスとも同じことを言っているらしい。なんだか凄いクマに見えてきた。


 こういう解釈の本は、初めて読みました。

 しかし、詩に関する考え方はとても参考になります。まだ意味の分からぬ時に暗記した詩を、大きくなってからその詩に描かれた情景を目にし、口ずさんでみることの素晴らしさを語っている。

 自分を振り返ると、昔、フランスの現地校の幼稚園や小学校でヴィクトル・ユーゴーの詩などを暗唱させられましたが……今、どのくらい覚えているでしょう(汗。
 唯一残っているのは、詩を読むときの読み方くらいかも。

 著者は言葉の音に拘り、「The Wind in the Willows」の日本語版の題名「楽しい川辺」についても批判している。原題のもつ美しさが損なわれているというのです。そこからもう物語は始まっているという考え方は、とても素敵だと思いました。

 この本の良い所は、子供時代の視点、成長過程の分析、そして大人としての視点をもって語っているところだと思います。

 例えば、ピーターラビットでも、お父さんがウサギパイにされてしまったことや、お母さんの注意などピーターにとってどうでも良くなってしまうように、子供の頃の著者にはピーターが無事に畑から逃げおおせるかどうかの方が大事だった。
 大きくなると、そこに含まれた教訓について注意を払うようになる。

 挿絵の役割は更に大事で、ピーターラビットの本などは、まだ字の読めない子供でもその絵を見ることで、母親が読み聞かせてくれる物語を覚え、ページを捲る場所を知ることが出来る。

 児童文学との接し方について、考えるものがありました。

 イギリス人の心が分かったとは言えませんが、見方についてはとても参考になりました。 

リスほこほこ。

2003年7月15日
 暑い。暑い。暑い。暑いです。

 石の壁なので冷房要らずですが、窓を全開にしても暑くてかなわないです。
 たまに涼しい風が通ると、風で舞い上がったカーテンの隙間から強烈な日差しが飛び込んで、瞬く間に部屋の空気を熱していきます。

 きっとこういう日はリスやウサギは木陰のひんやりした土の上に佇んでじっとしているのでしょうね。いいなぁ。

 体の中に熱がたまって伸びてました。夏生まれのくせに夏バテするのが早いです。余談ですが、体の熱は脾臓の働きが悪いと逃げないそうですね。
 
 
 未来系世界について考えていました。瘴気で汚染されたとしたら、エコロジーを徹底して人工的な自然を創りあげるか、防御に執着して鉱石や未知の物質で固めるか、それとも、人々が対応する体に進化するのか。

 考えを詰めていくと、恐らく一通り全部の試みが長い時間の中で行われる筈。その上での発展過程を予測するのか……。

 時間軸を使って歴史をもっと細かく作ってみよう。

 最近、ロマン派と写実派の境目が気になって仕方がないです。逆も同じ。
 歴史や社会的なことなら、哲学の進化とか宗教学の変化とか科学の進歩とか沢山あります。

 それを一個人の中で考えた時、大きなバランス感覚で行き来しているのかなと思う。

 
 感情の豊かさや「心」のやり取りをもっと深めたいこの頃。沢山書かなきゃ。

 やっぱり「怪人」に火をつけられたのでしょうか。

離れない。

2003年7月14日
 今日も快晴。抜けるような青い空を見ていると、旅行しているような気分になります。

 頭の中では、「オペラ座の怪人」の「Angel of Music」という歌が繰り返し流れています。怪人に取り憑かれたようです。あの歌を歌っている時の怪人は本当に天使のように魅力的でした。
 テーマ曲はちょっと手品ショーのように聞こえますが、この「Angel of Music」は綺麗な曲だと思います。
 思わずスコアを眺めながら口ずさんでいました。

 「オペラ座の怪人」のCD版では、クリスティーヌ役をサラ・ブライトマンがやっていたので驚きました。

 ロマンチックな物語。「ロマン」という言葉を引いてみました。
 
 「壮大なスケールの構想とドラマチックな筋立てを経(タテイト)とし、青春の叙情性と深く湛(タタ)えられた神秘性などを緯(ヨコイト)として織り成された(長編)物語。」

 「厳しい現実(退屈な毎日の生活)に疲れがちな人びとが、潤いや安らぎを与えてくれるものとして求めてやまない世界。また、それを求める心。」

 どちらも当たっているけど、下の表現で書かれると何か物寂しい感じがしますね。でも今の自分かも。

 燃えるような魂の織り成す物語に飢えているこの頃。

暑い日。

2003年7月13日
 今日はスペインの方では41度あったそうです。すっかり夏というか、猛暑で大変そうですね。ここは26度。日差しが山並に強いので、家にいても厚いカーテンを閉めています。
 そして冷蔵庫にはシャーベットが欠かせません。

 貧血で引っくり返っている時に、ふとフローラ(ウサギのぬいぐるみ)と目が合うとなんとなく微笑んでしまいます。とっても可愛いです。

 妙に箱庭が作りたくて、絵を描き続けています。そうしたら、シル○ニアン・ファミリーのような世界が出来てしまった。童心、童心。

 テレビを見ていたら、BelfastでOrange Paradeというのをやっていました。オレンジ公のことでしょうか。軍を出動させた物々しい雰囲気の中でのパレード。やっぱり、そこまでしても、するのでしょうか。 

 テレビ。帰るまでに、面白い番組やらないかな。料理番組とか、たまに見るとオニオンスープにキドニーパイ(羊の内臓のパイ)を突っ込んでいたりするので、どうも、微妙な気分です。
 しかも、作るとその場で盛り付けた皿にスプーンを入れて食べてしまう。絵的にあんまり美しくないんですよね。むしゃむしゃという感じで。気取らないと言えばそうなんですが。

 今頃だと、ベリー系のメインやデザートが豊富です。取得したいと思っていたベリーのプディングが、外のスポンジが実は白パンと知って驚きました。案外お手軽なデザートでした。
 
 驚きといえば、結婚記念日に泊まったホテルの部屋が、予約した部屋よりもランクアップされていたらしく、通常料金で750£(約15万)するらしいのです。どひゃー。いや、驚きました。と同時に、特別に用意してくれたホテルの人に感謝です。
 どうりで、落ち着かなかったわけですね(汗。

 今日からまた相方さんの修論の応援。
 良き妻になるよう、修行しなきゃ。とりあえず、不器用からなおさなきゃ。

明けた次の日。

2003年7月12日
 ホテルで一泊した次の日も貧血で食欲ゼロ。自家製のバニラ・ヨーグルトの杏添えだけ食べました。

 帰りがけに、ふらりとハムリーズという6階建ての玩具専門デパートに行きました。
 そこで偶然目にしたウサギのぬいぐるみに一目ぼれしました。
 そこは6種類くらいのぬいぐるみの外皮があり、まず選びます。私はウサギを選びました。
 それから機械を使って自分で綿をつめ、中にメッセージ入りのヴォイス・レコーダーを入れます。そして、背中を縫ってもらおうとしたら、側の瓶に入った赤いハートを取って、そこにキスをしてと言われました(ちょっと恥ずかしかったです)。そのハートを最後にぬいぐるみ中に詰めて縫い付けるのです。
 しかも、名前を決めて、誕生日と引き取り手の署名まで書かされます。証明書付き。

 私はFLORAと名づけました。大きな耳のたれた白い女の子のウサギです。
 着せ替えの洋服の種類も本格的で多い。折角なのでピンクのワンピースとボレロを着せました。

 きっと、子供だったら大喜びで一生の友達にするかも知れませんね。 

 ここまで手の込んだことをして、正直少し気恥ずかしいのですが、結婚記念に購入しました。そうなると、愛情も一押しだったりします。

 良い結婚記念日でした。

結婚記念日。

2003年7月11日
 (日記が時差で一日ずれているので)7月10日は結婚記念日。「なっとうの日」と読んだら怒られました。

 この日のために気合を入れていましたが、変わったことをすると、色々起こる起こる。フライパンで腕に火傷跡をつけたに始まって、激貧血を起こし、食欲ゼロ。それでも、楽しむことは出来ました。

 ロンドンで一泊したのですが、相方が秘密で予約しておいてくれたホテルが、凄かった。The Connaughtと言って、ロンドンでは高級なサヴォイホテルグループの一つ。場所もメイフェアにあって、ホテルは全部で30室強。その内の60%がセミ・スウィートでした。
 それでも内装は決して華美ではなく、重厚間のある貴族の館で、私達の部屋も東洋的なデザインを取り入れた、どちらかと言うと男性的な装飾でした(狩猟の絵とか、ライティングデスク、ミニ・バーの趣味から)。
 けれどお風呂の床も壁も大理石。

 嬉しかったのは、結婚記念日ということを告げたら、サービスでシャンパンと果物とチョコレートが用意されていたことです。そしてお土産に、お揃いのバス・ローブを貰いました。

 朝食とアフタヌーン・ティーはルーム・サービスで。……けれど、私はヨーグルトしか口に出来ず、相方に二人前食べてもらいました。手作りのスコーンやイチゴタルトがとても美味しそうでした。

 堪能したのは、ふかふかのベッド。ベッド・ルームと居間に分かれているのですが、居間が広過ぎて落ち着かず、ベッドでごろごろしていました。

 その晩は楽しみにしていた、「オペラ座の怪人」を観に行きました。座席も奮発して前から6列目の中央席。オーケストラも役者の歌も感激の迫力で聴くことが出来ました。

 素晴らしかったです。特に怪人の声はとても力強さと繊細さがあって、魅了されました。
 「怪人」という者の人間像が深く解釈されていると思いました。怪人になりきっている。非常に感受性豊かで、天才の悲劇というだけではない人間らしさがある。音楽と魂と心の3つのやり取りが物語の中ではっきりと浮き彫りになっている。

 音楽を通して、愛も嫉妬も破壊も表現する怪人。音楽に魂をこめて、愛情を注いでクリスティーヌの歌の才能を開花させる。彼女は彼が死んだ父親の言う「音楽の天使」と信じている。そして彼女も怪人の歌声に実際魅了されている。
 怪人は歌を通して愛を交わしていると思っていたのでしょうか。

 それなのに、彼女はラウルに奪われる。奪われたと怪人は思ったのでしょう。「私の音楽を彼女に授けたのに……」と肩を震わせて泣く姿には、思わず心を打たれました。怪人の音楽に対する心が見える一場面でもあります。

 逆に、クリスティーヌを怪人の手から救うヒーロー、ラウルのセリフも心に残りました。彼女が「彼の声は確かに天使なのよ」と思い出して恍惚としていると、「彼は天使なんかじゃない。ただの人間なんだ!」と言う。
 愛する恋人が怪人に恍惚としていたら、多分、興奮して「天使じゃない。天使の声をした悪魔」だと言うかも知れませんよね。或いは、「化け物」とか。実際、怪人の行いも姿もそういう雰囲気を醸し出している。しかし、彼はあくまでも冷静に「彼は人間だ」と言う。
 私はそこにかえって、ラウルの怪人に対する平等な扱いを感じたわけです。

 この現実的な青年が、余計対照的な怪人を幻想的にしているとも思います。

 セリフの一つにも、考えて味わう余地があるのは、本当に楽しいことです。

 怪人の住むオペラ座の地下に連れて来られて、「歌え!魂を込めろ」と言われ、歌い続けるクリスティーヌ。
 いつしか無心になり、その表情はみるみる変わって行く。
 極限の状態が作り出す、人間の美しさ。
 そして、厳しさ。

 とても良いものを観ました。

 劇が終わる頃には、貧血も忘れていました。

 ふと思いましたが、「オペラ座の怪人」の舞台は1868年頃、原作は1911年に書かれ、それを1986年頃にミュージカルになり、この2003年に私達が観ている。
 時間を超えた不思議な感じがします。
 

カモの心。

2003年7月10日
 久し振りに家族と話しました。皆、仕事の傍ら芸術活動に勤しみ、活躍する人達……。
 輝く人は、本当にどこか何かが違う。そして、何かが美しいと感じる。

 色々考えてしまいました。

 いつになく悩んでいたら、ひょっこりと相方が通りがかった。

I(相方)「何悩んでいるの?」
M「芸術を極める人達って、良い仕事がされている壺に似てない?」
I「?」
M「何かこう、豊かさとか、深さとか、品格とか」
I「ふうん?」
M「例えば、鳥でも一際美しい鶴のような……。ああ、鶴になりたい(溜息」

 (突然肩を掴まれた)がしっ。

I「M、目を覚ませ。お前はカモだ」
M「があがあ」
I「お前は庶民のカモだ、アヒルなんだ!」
M「があ:訳『ひどい』」
I「だから安心して頑張れ」
M「があ……」(既に涙が浮かんでいる)

 元気、でるのか?気楽にいけってことなのかな。

 その晩、キューバ出身のバレエダンサーの特集をテレビで見ました。ローザンヌのコンクールから羽ばたいて、自国でキューバの民族的なリズムやダンスをモダンバレエに取り入れて活躍しているそうです。

 いつしか、色んな葛藤が消えていた。

 自分が極めるべきもの。

 やっぱり、文章の世界。

 そしてそこから離れることは出来ないんだってこと。

 ところでその晩、フライパンで火傷をして、腕に5センチの火傷跡が。
 ああ、明日は折角お洒落するのに〜。

青い風。

2003年7月9日
 珈琲沸かし器を買ってから、珈琲を飲む時間が楽しくなりました。お気に入りは、LAVAZZAのエスプレッソにカセットクリームをおとしてエスプレッソ・コンパーナにすること。珈琲自体に酸味が殆どないので、飲みやすいです。

 ここ一ヶ月の自分を振り返ってみる。

 ……若さがない?気力がない?覇気がない?

 誕生日を一ヶ月後に控えて、何故こんなに毎日を無気力に消費しているんだろう。

 優先順位のつかない人生設計はスランプと同じ。
 心の中は焦ってばかり。そのくせ、気力や体力を使うと帰国の準備に体が追いつかないと思ってしまう。
 本当は忙しい方が、色々はかどるのに。

 力不足が苦しい時、相方さんは笑って言う。
「死ぬ気でやってみれば?」
 
 手も頭も動かすんだけど、心の中に、どこか、穴が開いている。
 その正体は、まだ自分も知らないのです。

 現実にないものを、無邪気に心に持ち続けるのって、本当に年々難しい。昔は唯一、無邪気でいられる場所だと思っていたけど、「リアル」というものに理性的になった頃から、どこか心の瞳が変わってきた。

 物語。現実の人生も物語。お伽も物語。心象風景も、具象化も。

 物語を通して社会と付き合う人もいる。
 本当の自分を物語に託して叫ぶ人もいる。
 ただの遊び場として楽しむ人もいる。
 「物を語る」。誰に?自分に?

 私はどんな風に物語と付き合いたいのだろう。

やればやる程。

2003年7月8日
 どんなことも、やり始めると終点のない道を歩いていることを実感する。
 あるとすれば、「見たいものが見えたとき」なのかも知れないけれど、その時はもっと先を見ているのだろう。

 時間が足りないと感じる、早く飲み込みたい、自在に手を動かしたいと思うこともあるし、力不足にプレッシャーを感じることもある。

 焦ることなく確実にやれば良いんだけど、時にはこういう感情も必要なのかな、と思う。

 苦しみのない成長って、ないと思うから。

 
 ふぅ。
 
 何にせよ、気力を充電するのに時間がかかります。

少し風邪気味。

2003年7月6日
 今朝起きてみると、喉が重くてだるい。昨日の疲れかなと思ったら、微熱を出していました。
 思えば昨日の帰りの電車の中で、運悪く後ろの座席の人が風邪をひいていて、咳ばかりしていました。もしかしたら、うつされたのかも。昔から人の風邪はころりとうつってしまいます。
 ここで風邪をひいたら記念日がまたあの結婚式の二の舞に。それは絶対に嫌。
 それでも靴と化粧品がどうしても必要だったので買いに行きました。ずっと喉が痛かった。

 ついでに、珈琲沸かし器を買いました。これで、インスタントではない本物の珈琲が飲める。

 詩集がどうしても読みたくて注文する。残り僅かな日々をせめて情感豊かに過ごしたいところです。

お買い物の日。

2003年7月5日
 ロンドンにお買い物に行きました。最近の昼夜逆転を直す為に調整していたら、今朝は2:30に目が覚めて、出発する頃には眠かった。

 まずは、相方のPCのバックアップをとるために外付けのハードディスクを探して、「ロンドンの秋葉原」に。品揃えはアキバ程ではないけれど、道の両側にびっしりと怪しげな電気屋が並んでいます。
 インド人の店員さんが多いと聴くけれど、本当にどの店もインド人がやっていました。そして、値段を見て立ち去ろうとすると、「幾らがいいんだね?」と値段交渉の姿勢を示してくる。
 数軒覗いて値段交渉成立。80GBを40GBの値段でゲットできて満足でした。

 お昼を飲茶専門店で食べて、次は記念日のためのお洋服探し。適度にフォーマルでカジュアルにも応用が利きそうなスカートとブラウスを買いました。
 折りしも、2段階目のセールの真っ最中。お店はどこも50%引きで今がお買い得です。

 沢山歩いて時間が無くなった上に疲れたのでハロッズに直行。10年ぶりに来てみると、……エジプトの間って変わった雰囲気ですね。ジャズの音楽の中で、エジプト風のファラオとか見ながらエスカレーターに乗るのは妙な感じがします。
 収穫は、ピンクトルマリンと真珠のついたネックレスを買いました。これは10%引きにしかなっていませんでした。

 そして買い物をして気が着いたのですが、帰国3ヶ月前ということで、「免税」がきくようになったのですね。VATがきくとかなり違います。

 帰りは念願の焼肉屋さんに行きました。もっと早く行ってみれば良かった。デザートに今年初めてのスイカを食べました。もうそんな季節なのですね。
 
 記念日まで後5日。
 痩せるのだけは、間に合いません。

一粒の幸せ。

2003年7月4日
 以前雑誌についてきたスクラッチのクジに当たって、小さな商品がポストから投げ込まれていました。

 こっちのクジって、大抵は当たるように出来ていると思う。そして、必ず最後の欄に「おめでとう!電話か郵便で知らせてね」と電話番号と住所が書いてある。
 この電話はクセもの。5分で千円とられるようになっているから、うかつにはかけられない。その割りに郵便の方はあっさりと商品を送ってくれるのです。

 それで、何か当たったかというと。

 白い封筒を開けると、キラリと薔薇色の石が。

 1カラットのルビーでした。

 ……クジには旅行券とか宿泊券とか書いてあったような。

 ペン先のような小さなルビー。
 アクセサリーを欲しいと思っていたのを、ラッキーの神様が哀れに思し召したのでしょうか。

 ルビーがくっつけられている台紙の裏にはこんな宣伝が。「そのルビーを蹄鉄型の18金ネックレスにつければ幸運がっ。ネックレスを半額で受け付けます」。

 ……いらない。

 日本に帰ったら、東急ハンズで部品を買って指輪か何かにしよう。
 期待していたのとは違ったけれど、少しだけ得した気持ち。
 7月。もうこんな時期。

 この家とも残り僅か……。そう思うと、妙に愛着が湧いてきたりします。
 日本でも、家賃10万円でこのくらいの広さがあればなあ……。オーブンつきの台所とか、もう絶対遭遇しないんだろうなぁ。

 などと、色々考えてばかりのこの頃です。

 蒸気機関車の彩色をやりました。とても時間がかかりました。ばったり。
 結局車輪は2−6−2。
 でも手がかかったと思うと、感慨深いです。

 何だか、言葉数が少ない日。

色を触ると。

2003年7月1日
 天気予報通り一日中雨。せめてものお散歩で近くのスーパーでお茶をしていました。

 絵を描いたり色彩に触れていると、豊かな気持ちになります。違う脳が働くせいか一時的に両利きになれるし、一つ一つの色からいろんな物語を連想して楽しい。

 だけど同時に、抑えていることも溢れてくる。
 それは、「お洒落」とか「お買い物」。
 自分を彩ること。
 新しいお化粧品とか、お洋服とか、アクセサリーとか……。

 来る記念日の為にお洒落をしたいけど、こっそり秘密のアイテムを揃える場所が近くにない。ウィンドゥ・ショッピングもままならないこの環境がときには寂しいです。
 そして予算も滅多にでない。

 ああ、それでも記念日までには何とかしたいな。

 マップチップで蒸気機関車を描いていました。前回までは玩具の小さな絵だからさっさと終わったけれど、さすがに大きいのは手がかかります。
 頑張ったけれど、今日は枠までしか描けませんでした。彩色にも時間がかかりそう。でも楽しいです。
 デザインはプルマンを引っ張っているのと似ていて、車輪は2−6−0。

 ……はー。

 せつない。

止まって、歩いて。

2003年6月30日
 元気が少しずつ戻って来たみたい。

 明日は気分転換に出かける予定でしたが、天気図を見ると見事な低気圧の中。イギリスの下では渦巻き状の前線が……。雨だそうです。

 庭園に行こうと思っていただけに、残念。雨でお流れになりました(TT)。

>お姉様
 お話できて良かったです。聴いたレシピを夕飯にしようと思ったんだけど、材料が足りなくて断念。代わりに天ぷらにしました。でも、たっぷり作りすぎて、二人暮しなのにまるで四人分。明日まで困らなそう。かき揚げが上手くいったので嬉しい気分です。
 また、材料を入手したらやりますね。 
 

 学校のチップが、なんとなく、授業料が高そうなプライベート・スクール化してきた。
 

心の方位磁針。

2003年6月29日
 異国の都市で迷子になる夢を見た。
 帰ろうとすると、電車の行き先が「東西南北」としか表示されていない。そして、「東行き」等のホームがそれぞれ6本ずつあるのだ。どれだか分からない。
 それならば飛んで帰ろうかと上空に舞い上がれば、見知らぬ光景が遙か彼方まで続いているのだ……。

 都市に関係する夢は何故かいつもロクなのを見ません。魔物の巣食う地下商店街を赤い糸だけを頼りに脱出したりとか……。
 ミノタウロスの迷宮を糸で脱出したという物語がありますが、やってみるとわりと難しいです。糸を糸玉にしながら、敵に追いかけられる器量は私にはないようです。たゆまず、切れず、手を放さず。
 
 ぐー。

 今日もお留守番。相方さんは大学の打ち上げパーティ。
 お料理をサボってタイ製のカップ・ヌードルを食べてみました。TOM KAの味。レモングラスとスパイシーな辛味がきいて美味しかったです。

 学校のチップを描いていたらなんとなく懐かしくて楽しかった。

 ああ、楽しくやらないとね。

 夢の中で見た沢山の電車のホーム。
 
 正解は、あったのだろうか。

ポプリで回復。

2003年6月28日
 今日は窓の外がずっと霧がかっていました。新築のアパートの一階に不動産屋が入っていた。ということは、ニュースエイジェントはどうあっても出来ないんだ……。

 ポプリの効果があったのか、耳の聞こえが良くなってきました。おまけに、熟睡できるようになって、満足。

 ドット絵描きは漸く学校と寄宿舎が出来ました。洋館風にして、こっちのキャンパスみたいに、敷地内に池とか森を置いてみる。
 少しだけ問題。3×3の同じチップをもう一つ配置したところ、設定を通行禁止にしてある筈なのに、一方の右下から上に2チップだけどうしても通行禁止がかかりません。
 これはバグなのでしょうか。
 イベントチップを置いて通行禁止にしておこう。

 木を描いてみたら、絵本の世界みたいになった。自分で見ていて、なんとなくほんわかしてしまいます。
 今はこの温もりを、大事にしたいな。
 右耳の耳鳴りが昨日より酷いです。音が滲むような感じでしたが、今朝起きたら、外音がまるで伝声管から聞こえるような低い音になって耳に飛び込んでくるのです。

 おまけに、低音で聞こえるということは、全てが耳元で鳴っているようで、感覚的な距離感が掴めなくなるのです。

 左右で不協和音。うー……。

 どうしてしまったのでしょう。

 夢の中で、マイ世界の主人公達と汽車に乗って旅をしていました。キャラが立体的な姿で現れるのは感動します。
 青い髪の毛を目の当たりにすると、少し不思議。
 夢に励まされて、地道に絵を描く。温室を描いてみました。花を飾った街灯も描いてみる。


 神経を解せるかなと思って、寝室にベリーの香りのポプリを飾ってみました。爽やかで甘い香りがはやくも部屋に満ちています。

 これで、耳が良くなるといいな……。

 Liberty XとDavid SneddonのCDを買いました。2for20£で800円のセーブ。一枚2000円は安いかも。

 余談ですが、相方の歯医者は予定は未定の電話をかけてとんずらしました。やっぱり45万円は高すぎ。日本で治療するまで、なんとかなるでしょう。  

耳鳴り。

2003年6月26日
 右耳の耳鳴りが止まらない。なのに、家の前の新しいアパートの工事が煩くて眠れない。どうやら、敷石を切ってはめ込む音のようです。

 今日は相方さんのお友達が日本に帰国するので、そのお別れパーティに相方さんはお出かけして、私はお留守番。持ち寄りだったので、手作り餃子を作って持って行ってもらいました。
 耳鳴りでぼーっとしていたら、思わず包丁で指を切りそうになった。危ない、危ない。

 最近白菜をゆずぽんで食べるのが妙に好き。

 レンガの資料にと、窓を開けてお向かいのアパートを見ながら描きました。まだ誰も入居してないから、今のうちに観察しておこう。

 絵を描くスピードを考えると、本当、文章で書く方が速い。
 それでも、目で見たいって思うんですよね……。
 文章を書きたくなるけど、今は少し我慢。どうも、使っている脳が違うらしい。

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